続篇 巻之16 〔21〕 黒蝶は人の魂と縁あるものか

 世に謂う揚羽蝶と唱える大きな蝶がある。
黒色に碧をまじえ、羽の端に赤点がある。
前編第10巻に載せた、陽関の神(張飛)の為に、成都の妓霞卿がとらわれて、後黒蝶となって、その故に夫王延鎬の所にしばしば来たのは、人魂の蝶になったことであったと。

 この頃聞いた事である。
文晁の写山楼に一黒蝶が来て、いつとなく馴れて、集会の席にも飛び入ってきて、文晁が盃を持つと指頭に止まり、盃の酒を嘗めて去ることが時々あると。これも人魂に似ている。

 またわしは思うに、死者あるいは旧鬼に感じ入る事があれば、時として黒蝶は必ず来て、屋中を翻々して去る。
これは野外園中の者ではないからといえないだろうか。

 また『啓蒙』に載っているが、蝶の漢名を鬼車、鬼蛺(蛺 きょう、蝶類の総称)とも云う。

 また黒色の蝶を上総の名に「ジゴクチョウチョ、原文ヂゴクテフテフ」と云うなど、漢名を黒蛺蝶(桂海『虞衡志』)に為しているが、何か人の魂に縁があるのではと思う。
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