巻之10 〔36〕 有難き上意を聞けるは昔のこと

 林氏が云う。寛政(1789~1801年)のはじめ、懸車(けんしゃ、退官すること)をはるかに超えて大目付を勤めた桑原伊予守は、年若いころ御番を勤めていた頃、未だ徳廟(家康公)が御在位の世であった。
御成りの御供をもしばしば勤めたという。

 それについては御徳義」の有り難いことと折にふれ咄が有る中に、鷹野御成り(鷹狩りで野山に向かわれる事)のさきで雨あるいは雪に遭ったけれども終日狩りをされた。
還御(貴人が出先から帰る事)のとき、番士が列になり平伏すると、今日は面白かった、わいらは困ったろう、大儀じゃと仰せであった。
真に身に染みて有り難く思ったが、今この上意を聞くのも、はや世にまれなことと語った。
今に至り予洲の話を思い出すも、また懐旧なこと。
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