巻之7 〔18〕 安藤家の門松

前に、安藤家の門松は、故事あって官より立てられていたという。
後この事を聞くと、ある年の除夕(じょせき、除夜)に、神君安藤の先某と某に対して、しばしば負けて、また一局を命じられた。

某曰く。
今宵は歳尽しよう。
小臣は明旦の門松を設けようとする。
冀(こいねがわ)くは暇を給わらんと。

神君曰く。
門松は吏(役人)を遣って立てる様に。
懸念することなかれ。

よってまた一局を対せられ、神君は遂に勝ちを得られたと。

これは自らして、例によって官吏が来て門松を立てるとなった。

また今安藤侯の門松を立てるとき、御徒士目附某余の小吏来るのに、その労を謝するに、古い例のままになっていて、銅の間鍋で酒を出し、肴は焼き味噌一種である。
これは当年質素の風、思いをはせた。

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