三篇 巻之77 〔17〕 今までに見ない蚊のはなし

蚊は小虫と謂えども、時として変化するのだろうか。
わしは今の江東の下邸に住んでいるが、少年から3度目の住み方である。
昔から蚊がいるのは相変わらずだが、つい6,7年前から1種新種のの蚊が見られるようになった。
その状態は夜に出る白色をしたもの、昼出る黒色したもので、所謂やぶ蚊とも違う。
やぶ蚊よりやや大きく、淡く黒く、口ばしの長きことは鷺のようである。
身もまた長く前足を伏せて、尻を上げる。この故に、人を吸うときは、錐で刺すが如し。
痛み良(やや)久しく止まず、毒をも含む。
以前から存在する種なのかはわからぬが、わしの幼い時にはいなかった。
また世には、「蚊を焼く」と云って、蚊帳の中にいる者は紙燭(しそく)で様子をうかがいながら焼くと、必ず吊り蚊帳にいる物は焼殺に遭う。
それでも今ここでは、わしは甚だしく蚊が厭であるので、連夜人を置いて、蚊帳を窺いながら使っているところである。
だから(わしの)蚊帳に蚊は寄ってこない。
 必ず寝具に集まってきて、蚊帳につくことは無い。
毎夜こんな感じである。『本草』の蚊の条では、殊に『略集』、『啓蒙』と謂えども、これらに載っているのとは違うことがあるものだ。
偏った見方かもしれぬが、新説とするか。
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