2022/04/01
続篇 巻之57 〔13〕 愚かな者にも生じる自然の理
世俗に愚痴っぽい輩が、何かふと心に浮かんだことがあると、みな笑う。「あの人が気づいたとは、こりゃ雨が降りますなあ」と云いながら。
これが俗言としてもすこぶる理があるものだ。
「それ人は天地の間に生まれる者だからわずかな間にも、うけるものだ!」。
天、まさに雨が降ろうとするときは、地もまた気を受けると、草木鳥獣までも自らその兆を成すことは多いものだ。
況や人は万物の霊ならば、愚者もその気によって変化を生じて、知恵を得るのは、自然の理である。
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