巻之10   〔11〕 盈(み)つるもの虧(かく)ある

 前に太郎稲荷のことを云った。
 かれ繁昌の末か、その辺を日々往来する肴売りは時々に魚を失った。
察するに狐の所為だろうと、1日魚を餌にして狐を打ち殺した。
その大きさに人々は驚くばかりだった。

 これより稲荷の事漸々(ぜんぜん、徐々に)衰えて遂に流行が止んだ。

 その打ち殺された狐は、乃(だい)太郎稲荷と称されたものだったと云う。
盈つるもの虧あるは天の道であって、妖狐も免れなかったということ。
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