巻之九十一 六 船橋明神の巨大な鏡

船橋明神(下総国船橋在)の祠の中に、いにしえの昔、海の中から得たという巨大な鏡が二面があった。
神代の物と云い伝えがある。
一つは径八尺(2.424㍍)。
裏に縁があり、厚さニ寸(3.03㌢)になる。
もう一つは、径四尺を計れる。
この鑑の地金はもう一つの大きい方に劣る。
だから、強く敲(たた)くと、その響きはよくない。
ニ鏡ともに車に乗せて移すのでなければ、動かしてはならぬ大器であると。
また黒鉄の御柱と称して(黒鉄は鉄ではない)、長(た)け九尺余り、廻り三尺ほどになる。
これを中央に置き、大鏡は左右にある。共に三神と崇む。
昔よりこれをご神体として、世の人には見せない。
だから、遷宮の時には幕を設けて屏をなして、夜影にご神体を移すと云う。
この話は橋本町稲荷の祝いの某、かの宮の遷座(ご神体を他に移すこと)の時にあってこれを知ったことであった(菊庵話)。
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