巻之16 〔2〕 鶴の子育て

6月のはじめに、永井の飛州(飛騨屋敷)に行くと庭に2羽の鶴を飼っているという。

この庭籠(にわこ)の中にて卵を産むのかと聞いた。

もちろんと答えが返ってきた。

どうやって巣を成すのかと又聞いた。

巣をなそうとする前に、藁を馬の敷き藁のように入れておけば、これを地面にひき散らしてその株を設けたようになる。

その中に卵を産む、ただ2つだけなと答えが返った。

この2つは必ず雌雄だとも。

夫と妻はかわるがわる卵を温め、必ず嘴を使い卵を転ばして、違ったことがあればただして巣にもどす。

これははなはだ厳格にやっている。

また親鳥は雨に逢おうとも、雨を避けずに動かない。

世にいう鶴の巣籠りというが、木の上で巣を成して子を育てるのと変わらぬ。

飛騨はまた言った。

この鳥の水辺での様子をみていると、汀より水中に動く時、足が(長いので)水底に届く間は歩くが深くなると水に身体を浮かせて動く。

向こうの汀に至っては、足が底に届くようになると、最初に汀にいたごとくである。

珍しい話であった。


当時の鳥に対する認識が今と違うのでしょうか。そんな印象を受けました。

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