三篇 巻之十五 〈一〉 能の家々の伝え

能は習いごとと称して、その家々の伝えがある。
中における石橋の能は、家々にそのやり方があると申し、観世大夫に聞けば、かと云い、喜多に問えばこれという。
それぞれによる処取る処があると聞こえた。
わしもニ家の石橋は折々見る。
共にシテ始めは尉(じょう)で、中入りあり〈間の狂言、大倉八右衛門の方は、仙人一人出る。
鷺の方は、天狗だろうか、三四人出る〉。
後の出はは、獅子である。
また聞く。宝生大夫の石橋は、始めは尉だが、シテ連がこれを為め、間の狂言がなくて、直に牡丹ね台を出し、ついで後ジテ、獅子の出はない。
これはほんのジテが為める。
ある人が評価した。これは易いはずだ。
金剛大夫の方は、始め尉、中入りして、間の狂言がなく、直に牡丹の台出し、尉で獅子の出はである。
早装束になるから、金剛こそ早業といえる、と。
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