巻之57  〔13〕 国替えのときの諸士の屋鋪の受け取り顛末

1日東漸院に詣でたとき、その院代静明房が出迎えてくれた。
「久しく遭わなかったなあ」と云うと、「某は桑名の産まれで、この程所用があってこちらに赴きました。
それでこうして待っているのです」と答えた。

わしは「ならば近頃の国替えのことを聞かせていただきたいですな。
今の桑名侯はわしの子の婿家なので」と語り、「さてかの城やら諸士の屋鋪は如何にして受け取るか」と聞くと、「その時は甚だ賑やかで、大いに混雑することでしょう。城の受け取り渡しはもとよりでしょう」と云った。

諸士の屋鋪は先ず面々に明け除き、城下の町を南北と両方を分けて借り切って、南方は新侯の諸士の寄宿にして、北方は旧侯の諸士の退宿として、それよりその屋鋪はみなでかかって役人立ち合いで受け取ります。
これより諸士出散の後手数あって、各屋鋪に入るとのこと。

定めし先々よりこのように為してきたと思われる

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