巻之52 [3] 深川八幡境内の力自慢

この前行智が来て話した。

今日深川八幡の境内を通ると、仮小屋があったのを取り外していたので、「何故か小屋を解くかや?」と問うた。

「近頃力持ちをする者があって、100貫目の石を頭上にさし上げることを、これも1人じゃなく数人寄って、相撲のように関、関脇、小結とその人々の力量を見せつけていましたがね。諸人も群してこれを観たんですが」。

「これは社に奉納した石でしたし、それをおさめていた小屋でした」。

「またそれを解いた訳は、この程このような群衆の中に、(突如として)年60余とみえる痩せた小おやじがその石の傍に寄って、両手をさしのべ、軽々と目通りに持って、2,3遍上げ下げして向こうに投げました。さてもその場にいた見物人はよく持てるものよと、その場を去りましたよ。力持ちの輩もおののき、この老夫はただ者ではないとその石を上げるのをやめたのです。そして仮屋も取りはずされたのです」
と行智の質問に答えたとのこと。

関連記事
スポンサーサイト



コメント

非公開コメント

プロフィール

百合の若

Author:百合の若
FC2ブログへようこそ!

検索(全文検索)

記事に含まれる文字を検索します。

最新の記事(全記事表示付き)

訪問者数

(2020.11.25~)

ジャンルランキング

[ジャンルランキング]
学問・文化・芸術
890位
ジャンルランキングを見る>>

[サブジャンルランキング]
歴史
131位
サブジャンルランキングを見る>>

QRコード

QR