三篇  巻之7  〔7〕 閣老水野羽州が子息に遺言したこと

 ある人が語った。
 故閣老水野羽州〔忠成〕が卒るに臨んで、子息和州〔忠義〕に遺言して曰く。
「我が後を嘗て御役を望むこと勿(なか)れ。御役は家の興廃について云うべからざる旨あり。去りながら支家壱州〔忠実〕は惜しむこと。何とぞ御役につけ度(た)き者であるぞ。因って当羽州〔初大和守〕は世を継いで、権家を奔走して、毎(つね)に壱州を吹挙するように」。

 壱州は故あってわしは別懇(とりわけ親しい)である。ある日語った。
「某の家参政を勤める者は、某以前4代連綿(長くつながり続いて絶えないさま)していると。
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