続篇  巻之39  〔8〕 白き生き物はどんなものか

 先年浪華にて聞いたのは。
 泉州か河州にて純白の鵩(フクロウ)がいた。
何れより来たかはわからない。

ある人はこれを蒹葭(ケンカ、アシの別称)堂に問えば「これは夜国の鳥です。
極陰の境では物の色はみな白いのです。
万里を凌ぎ来たものでしょう」と答えた。

 近頃また聞いた。
ある人の説に、「富士のふもとに人穴がある。
穴地底へ5間ほど下れば、横に5町ほど往ってみては如何でしょうか。
そこに大きな鍾乳がございます。
5囲ばかりになっていますよ」と云った。

 その奥を極めれば富士川の源であると。
そのためか穴を深く行けば、土中に水鳴が聞こえるとぞ。

 またこの穴の中に小蝙蝠が沢山いるそうだ。
小梟もまたしかり。
みな純白だそうである。
蛇も、蜈蚣(ムカデ)もいて、これまた白色であると。
陰界の物は総じて然りなのか。
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