続篇  巻之70  〔18〕 林家の家紋について

 この日林子の着ている継肩衣の紋に、見馴れない牡丹がついていた。
この故を問うたら「家先(ここでは先祖)の道春(江戸初期の儒者、林羅山の剃髪後の号)は、はじめ浪人儒者で京住まいの頃、近衛公に召されて眷遇を蒙り、遂に家の牡丹紋をも賜ったのですよ」と云った。

 わしの悪口に、これまで多年の中(多年深い関りがあった)見えなかったが、子(道春の)は新作ならなかったのか。
抑々今の御代所に媚び奉るに非ず等と云って、微笑ましい。
実にその賜紋は古き伝えで、今も家の古器に、杏葉牡丹を蒔絵したものが往々にしてあるというぞ。
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