巻之79 〔10〕 年十七八になる娘が小鼓を打つ、女弦

昔聞いた事をふと思い出すままに書き出してみる。
防州山口であったこと。
ある家の年十七八になる娘がいきなり狂って、小鼓をちょうだい、打ちたいの、と云うのだと。
この女弦(本文ではこう表現。今の女性演奏家の様な表現かと)は、唄はするが、鼓を打つことはないと。
家人も不審に思いつつも、鼓を与えると、何か打ちたがる。
それで側の者があれこれと望むと、曲舞(くせまい、舞)一挺、思うままに打ったと。
皆が皆、思いもかけないことと、どうしたのと当人に問う。
我に幸(こう)某の魂が寄ってきたのよ、と答えたと。
防州山口は、大内氏が領めた後衰退したけれど、これから大いに繁栄して、鼓者の輩もこれからやって来るだろうと。
だから幸氏(官の鼓者、小左衛門、清次郎、清五郎の輩皆幸と称する)の輩の様な者がここにいるのか。
どうにも晴れない不審なことよと、某は話したのだった。
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