続篇  巻之13  〔2〕 曲水の舞(遠祖のことを演ずる)

 2月中、喜多の宅に往き、能をみながら『融』があった。
その中に曲水の舞というものがあった。
滅多に為すことではない。
そのわざは、仕手が中入って、脇 磯枕苔の衣を片敷いて(自分の衣の袖を敷いて、1人で寝る、独り寝をする)と謡い、「夢まち顔の旅ねかな」と謡うと、囃子〔大小〕は床几にかかる。
その時半幕で揚げ幕のすそを2尺余り上にあげて、またおろす。

 それより出はを囃し、仕手が出て謡いがある。
ここにも名に立白川の波のあらおもしろや曲水の盞(さかずき)と受けたり、請たり、遊舞の袖というより、扇を抜いて持ち、舞台の正面で、舞台の外を流るこころで曲水の盞をとる体があって、それを手に持ち、片手に袖をかかげ、橋がかりに行って、所作がある。
このとき太鼓手をうって流(ながし)をうつと、仕手 本舞台にかかり、それよりいつものように早舞になる。

 珍しい見事なわざである。
この能は遠祖の事を演ずることだが、天子の尊ささえも謡曲に作ると思いながらも、遊覧の中であっても心には慎みいることであった。
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