2020/06/22
巻之76 〔5〕 町奉行本庄の地にて御見分での通り道
三月十日、いつもわしの屋敷に来る芸花人に対して、当日町奉行本庄の地にて御見分があると云うので、わしは訝しく思い、何ごとかと、通行する場所を聞いて来るようにと云ったところ、、、始め本町通り、横山町、浅草御門を出て、御蔵前通り、並木町、浅草寺境内を抜けて、それから田町を通り、吉原町見分があるという。
このときかの廊中大小の妓家の遊女を残らず見せを張るようにと申し付けており、廊中ではまず下級武士を退けた。
上役の町同心たちを先に立って巡見をするという。
これより前の土手通り、今戸町にかかって、橋場の銭座屋舗にて昼餉をとる。
それから帰りは花川戸へ出て、大川橋を渡り、堤を北に三囲稲荷に行く。
休憩して、川端を下り、両国橋を渡り、米沢町通り、久松町、富沢町、人形町から堺町通り。
この歌舞伎の前では、表木戸を開かせて置いて通行すると。
先ごろ、ここが焼失したので新しく建てられた。
奉行は榊原主計頭だという。
これまでに(こんな事)聞いたことがあったか?と問うと、十八九年前にもこのようなことありましたよ、と云った。
- 関連記事
-
- 巻之九 一四 角力の志し
- 巻之76 〔5〕 町奉行本庄の地にて御見分での通り道
- 巻之八十 ニ四 漁の器具で「もり」のこと
スポンサーサイト
コメント