巻之64  〔4〕 薬玉乃梅、袖之梅

 前に玉之梅と云う薬のことを云った。
この頃、多紀安元に問うたが、「袖乃梅、玉乃梅のことを承りました。袖乃梅の方は兼ねて記して置いたけれども、玉乃梅は未だ存じておりません」と答えた。

 因って一方のみ申した。
但し神祖の御方と申すことは聞いてなかった。
また日本橋駿河町に、古松軒と云う薬舗にて玉之梅が売られているという。
これは、富山侯にて製された百花香と同方だろう。
百花香はわしが知っているかのように云い越してきたが、侯はわしも懇意していて、毎度この薬も得ているが、同方なるかはわからない。
また若しくは古松軒と云うのは、かの中村七三郎の所か。
住吉町と駿河町とは近き処である。

袖之梅の方
藿香五分  陳皮一匁  桂皮一匁  縮砂五分
葛根一匁  黄連三匁  大黄五分  木香二分
甘草一分
上九味剉細し、水で煎じまたは湯泡を用いる。
主治  停食宿酒脾胃の不和が治る(効能が期待できる)
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