2023/02/03
巻之49 〔30〕 大洲侯よりの贈り物とうた
林が話す。大洲侯より贈り物があったときのこと。
庭池の紅の荷花(はすのはな)に蒲に百道があるのを折り添え、筒に插して来た。
縞のある蒲は殊に珍しいと思った。
佗日(たじつ、他日)、分根を所望すると、速やかに分けて下さった。
また泥菖(でいしょう、蒲のような葉)の緑葉間白なのをまた大洲より取り寄せて植えおかれた。
これをもまた盆植えして送り越された。
その時の文の端に、
今日よりは君に引かれてあやめ草いく万代の色やそふらん
とあった。
時にとって感浅からざり木。
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