巻之七十七 五 富士の裾野での鏃(やじり)

柔術起倒流の師白亭が大鏃(おおやじり)を集めているという。
近頃富士の裾野の樵が山中に入って木を伐っていると木の奥から鏃が出たのだと。
木の在所は人は滅多に入らない処で、頼朝さまが囲い狩をなさった時に射られ入り込んだのだろう。
遺鏃は、樵が持っていたものを三嶋駅の人が伝え聞きして、貰い受けたもの。
白亭は噂を聞きつけ、三嶋の人に頼んで貰ったと。
これは図にした(写真)。
鏃は実に大きな物で、古人の弓の力量がしのばれる。
ここでいう近頃とは、五六年前である(古人と比較すれば)近いことである(寛政八年丙辰三月記す)。


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