2020/05/04
巻之六 六 いちめ笠とおちめ笠
古画にえがかれた婦人の深い笠の頂に高い形をしたものを被るのを多く見る。
これをいちめ笠というらしい。
またある人がいうには今も吉野の奥の木でつくる深笠をおちめ笠という。
なぜなら、乱世に平氏の人落ち行きて、この山中で製作するものならば、おちめ笠と云うではないか。
しかし、これは後の人間があと付けしたのであって、おちめいちめは語音の転訛である。
吉野にあるものは、古風なままで伝わっていくまでのことである。
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