続編 巻之17 〔1〕 百夜通い

一男子が一女子に恋をした。
女が云うには、「百夜通っておくれよ。そうしたらお前さまのものになろうでないかい」。
男は易き事よと、翌朝より風雨も厭わず女の元へ通い、庭木に印して帰った。
こうして早九十余日を過ぎた。
そうして、大風雨の夜、その人はまた蓑笠を傾けてやって来た。
女は遂に男に話しかけた。「もう百夜でなくていい!泊まってお行きなさいよ!」。
すると男は怒って云った。
「あっしは、雇われてやってるだけでやんす。この風雨の中、早く帰りたいのに、何で泊まって行かなきゃいけないんすか!」。

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