2023/06/01
巻之10 〔18〕 郡山侯と岡崎候の足軽の口論
郡山侯の供の足軽と、岡崎候〔本多中書〕のこれも供の足軽と下馬にて口論したとき、後は双方声高になって言い合った。岡崎の足軽が、
「汝等の主人は御治世後のなり上りにて大名になられたが、我等の主人は三河以来鎗先の大名であるぞ。
我等僅(わずか)の給扶持を貰って居るのも、みな槍先にて取った宛行(あてがい)だ。
何条汝等と同じであるわけはない」
と云うと、
「流石道理」と云って、外々の供廻り岡崎の足軽に荷担の色があったので、郡山の方はおめおめとして無言になったと云う。
頗る婾快の咄である。
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