巻之87 〔4〕 蛇塚

 丙戌〔文政9年、1826年か〕六月廿五日、小石川三百坂にて蛇が多く集まり、重累して桶の様だった。
往来の人は歩みを留めて見ている。
その辺りの田安殿の小十人高橋百助の十四歳になる子千吉が云うには、「この如く蛇の重なる中には必ず宝があると聞きます。いざ、取らん」と云って、袖をかかげ、右手を累蛇の中にさし入れた。
肱(ひじ)が没したが、やや探して果て銭一を得た。
見ると篆文の元祐通宝銭である。
これより蛇は散っていき行方しれずと。奇異と云うべし。
〔蛇塚の写真参照〕

 因みにわしは『泉貨鑑』に載るものを附けておきたい〔写真参照〕。

 追記する。
田舎ではこれを蛇塚と云って、往々あることとのこと。

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