2020/05/17
巻之七十 四 武家の服
ある人が林氏(江戸幕府大学頭 林述齋)に問いて持論を展開している。
今どきの武家の服だが、麻の上下、服紗小袖で事足ると思いませんか、と。
無駄な継の上下の縞小紋の服などという雑多なものが出回っていますが。
改革されたら、善政の1つになるでしょうに。
林氏は答えて云う。
言われることは至極だと思うがね。
しかしいつの世もそのようにはならないだろう。
既に京都人から出回り始めた直衣は、人々に受け入れられているし、狩衣の色ものはますます数多く出ていて人気がある。
武家の好みもまた同じことだ。(服に対する)人々の嗜好というものを理解しないと、幾ら論じてみても、(貴殿がおもう様に世の中は)動かないだろうね。
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