2020/07/22
続 巻之十七 一 公方さまを見奉るには
ある藩士が初めての江戸上りで公方さまを見奉りたいと言い出した。友は言った。「藩士は見奉ることはできぬ。農夫になれば望みを達せる」。
藩士は「ならばどうしたらよいか?」。
友曰く。「田舎に御成の時に、農夫に頼み、その家人として見奉ればよい」。
士は喜んで、双刀を抜き、農家に身を寄せる。
その時、御成があったので農夫がこっそりと「あれこそ公方さまなれ」と教えた。
士は「いやいや。
あれは御一人にして御法体にはあらず」と疑った。
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