巻之35 〔24〕日に向て弓を引かぬ事

 古人は日に向ては弓を引かない。

 今は狩りなどに出て獲物をみては東西に構わず、畏敬なきの至りであると。
 
 『保元物語』に、下野守義朝は白河殿に寄せようと、二条を東へ向かい出発した。

 安芸守清盛も同じく続けて寄ろうとして、明ければ11日東塞がりになるうえ、朝日に向かって弓を引こうとする恐れがあったので、三条へ打ち下り、河原を駆けて渡った。そうして東の堤に北へ向けて歩まれた。

 また『盛衰記』に、那須与一が屋島の軍に扇を射しようとする時に、扇の紙には日を出した恐れがあったそうだ。

 要めの程と志して兵だが放った。

 思う矢所は違うことはなかったという〔『余禄』〕。

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