2023/09/03
巻之35 〔24〕日に向て弓を引かぬ事
古人は日に向ては弓を引かない。今は狩りなどに出て獲物をみては東西に構わず、畏敬なきの至りであると。
『保元物語』に、下野守義朝は白河殿に寄せようと、二条を東へ向かい出発した。
安芸守清盛も同じく続けて寄ろうとして、明ければ11日東塞がりになるうえ、朝日に向かって弓を引こうとする恐れがあったので、三条へ打ち下り、河原を駆けて渡った。そうして東の堤に北へ向けて歩まれた。
また『盛衰記』に、那須与一が屋島の軍に扇を射しようとする時に、扇の紙には日を出した恐れがあったそうだ。
要めの程と志して兵だが放った。
思う矢所は違うことはなかったという〔『余禄』〕。
- 関連記事
-
- 巻之35 〔27〕律詩、塡詞(てんし、中国における韻文形式の一つ)
- 巻之35 〔24〕日に向て弓を引かぬ事
- 続篇 巻之56 〔16〕印宗和尚の旅のはなし
スポンサーサイト
コメント