巻之35  〔27〕律詩、塡詞(てんし、中国における韻文形式の一つ)


 一斎が語ったと伝い聞く。
 
 詩は律詩にいたってはじめて平仄(ひょうそく、順序やつじつまを合わせる)がある。
 
 塡詞に至ってはじめて四声がある。

 塡詞は一字一音に尽(つ)き絲竹に諧(かな)えて甚だつつしむ。

 三字句あり、数字句あり。

 平韻、仄韻並び用いて厳かである。

 律詩の中李青蓮の清平調、第二首、第三首、共に起句、落句の第四字韻を押す。

 艶燕国北これこそである。やや塡詞の如し。また第一首の起句、裳容韻に於いて通じる。

 これ等の体は、もと教坊に清平調があれば、それに協えて作り出せる者にこそ、塡詞の鼻祖(元祖)とも云える。

 また云う。

 今人は書を写すに、多く省文を用いる。

 言家、台家の僧がその書を写のを見ると、略字を用いる。菩薩を省して()と書する類はこれである。

 漢土には肖立半字を以て『国』『策』をうつせることは劉向の文に見える。

 肖は逍の半字である。立は斉の半字である。古今人事異ならぬ、この如く。
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