続 巻之十七 〈一〉 徘徊する犬の話し(笑い話)

都は人家が並んでいて、犬もまた多い。
夜もたけなわになると人通りは絶えて、犬が徘徊している。
独り歩きの者に犬どもが吠えかかり、行くことが難しくなる。
ある人曰く。これは戦国時に敵地に入るのと同じだ。
行くのを遂げようとすると遂には襲われ怪我をしてしまう。
そばの人それを聞いて曰く。
「あっしに考えがありやす。犬に囲まれたら、先ず四つん這いになって獣と同じになるんすよ。それから犬吠えをして闘うんでやす。そうしたら犬の野郎、怖れて逃げるでやす」。
その人、納得して、ある夜はたして犬ども四頭に囲まれた。
その人はすぐ四つん這いになって犬に向かって吠えた。
ところが犬どもは逃げぬ。
一匹が、後ろへ回りその人の臀部を噛んだ。驚いたのなんの!
「キャンキャン!」
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