巻之十四 〈一四〉 昼成り

林曰く。
承応の頃の官の日記に、大君の御目覚めの刻限を記しているが、云々卯時(現在午前五〜七時)御昼成りとある。
この頃までは通用した俗語に古言が残っていることが多いと見える。
『中右記』だったか、目覚めることを昼成りと記すようと書いてある。
今、婦女子の辞で、おひんなると云うのはこの転語である。
また前髪を小結と云うと見えて、この頃の日記、正月無官御札の所に、小結之輩と記している。
面白いことである。
静(静山さま御本人)曰く。
邯鄲(かんたんの夢)の能に、慮生がの里に宿泊した所に、仙枕があって、粟の一炊きの間に五十年の栄華の夢を見て目覚めようというとき、狂言の女が出てきて云う言葉に、「いかにお旅人、粟のおだいができ候、とうとうお昼成れや」と云ったという。
これも古代の言葉を伝えている。
又小結とは、少年の持つ烏帽子の小結と掛けている。
そういうこと(小結〈こゆい〉烏帽子、小結の組紐をつけた烏帽子)。
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