2020/07/29
巻之八〈一四〉 駱駝(らくだ)の図
昨年、オランダ船が駱駝を乗せて長崎にやって来た。それより「東にも来るだろうよ」と人々は話していたが、ついに来なかった。
先年、某の候の邸に集まった時に、画工某がその図をわしに見せてくれた。
今古い紙の中から見つけたので記した。
図に少し文を添えて云うには。
「享和三癸亥七月長崎沖へ渡来したアメリカ人十ニ人、ジャワ人九十四人、乗組の船積み乗せ候馬の図である。
前足は三節である。爪まで毛に覆われている。
高さ九尺(2,727㍍)長さ三間(5,455㍍)というその船は交易を請うが、禁制な国なので許されず還された。
これは正しくは駱駝(らくだ)である。この度、再度渡来した」。

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