巻之80  〔4〕沼田領の奇植

 林子が云う。
 
 近ごろ〔丙戌5月、文政9年、1826年か〕沼田領〔土岐山州〕に奇植があった。すなわちその藩士より我が社中に示す紙片とて転送する。
 
 上州山田郡梅田之里、左羽清右衛門と申す者の庭に、野篠よりは長け高く、朱色にて少々節がある。
 
 花は石榴の様で白く一本に五りんほどある。このものは二根が生じている。

 また同処粟田清蔵と申す者の椽下に、女の髪の毛の如きもの二間ばかりの内に生じております。これは女の毛髪を植えた様に本末もなく、細く長け一尺五寸ばかりある。この二物 は如何なるものかわからない。吉凶悔吝如何、博物君子に問うことを希う。
                       同所奉行 相馬武助
                       同町支配 藤居久八

 愚考には、前の朱色なるは天麻だろう。

 先年この隠邸の外園にもふと一根を生じたことが有った。

 翌年には生じなかった。
 
 後のものは、先年三河の人の随筆に、かの辺の寺に蔵めた七難のそそ毛と称するもの、また往昔の霊婦の陰毛と云うものこの類だろう。

 その書今は失ってしまった。
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