三篇  巻之4  〔3〕安陪長得院の故宅に棲む狐の子


 近隣の梅居士が語った。

 安陪長得院〔この屋鋪もわしの荘の近所である〕の故宅は度々主人が替わり、今は織田氏とやらが住んでいる。
 
 この屋鋪にこの頃狐の子が生じている。その体は1尺ばかりである。

 尾もまた同じ。甚だ愛すべきものである。

 それなのに純白の色をしている。

 聞くに児狐ゆえに人に能く馴れ、ある日なんか主である女隠居に抱かれていた。

 外にも庭守にも抱かれていたと。
 
 わしは思う。

 白狐は数歳を歴たるものは毛の色が変わると。

 つまりこれは児狐なのだ。奈(いか)ん。

 因みにわしは顔狐と名付けた。その意は『史記』に云う。回年29、髪は尽白(クシ)。蚤死(クス、蚤はノミは)。

 けれどもその狐はその性は(あちこち動き回るかのような)回の様で賢く、且つ寿は任者(仁の道に達し、道徳的に完全な人)と同じのようである。
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