巻之79  〔18〕華鬘(仏具)

 僧家に華鬘と云う仏具がある。このことをある釈氏に尋ねたことに対する答えをここに録する。
 
 『摩梨支菩薩経』の巻の七に云う。

 二手を以て金剛拳を作りし、金頭指を少なく屈して、心上頂上に安し、復た心上復た胸上額上に於する、華鬘を繋るが如くし、擁護を以て為す云々
 この文を以て考えるに華鬘を繋るとは、この方の冠に日蔭を着る如く、糸にて華形を結び垂らして長く造るのを額の頂、頂の前、胸の辺りに垂らして、身体の厳飾と為すことと見える。華鬘の様を十分に想像できるだろう。

 和訓ではなかづらと謂うものだろう。

 華鬘、梵名摩利〔未利とも書く〕と云う。摩利支を華鬘天女とも云う。

 『翻釈名義集』〔巻三〕に曰く。摩利、此に奈んと云う。また華鬘と云う。鬘に作るに堪たり。

 『善見律』に云う。広州その華有り、藤王なりと。

 『名義集』〔巻七〕に云う。末利ここに黄色華と翻す。華黄金色の如しと見える。また摩利夫人と云う人あり。末利夫人とも云える。祇陀太子の妃である。

 この末利もここに鬘と云うと『名義集』に見える。

 末利、摩梨、麻里支天、何れも華鬘のことで、鬘に作る。華の名である。

 こうして本は華を貫いて鬘に掛けるが、後には糸を結んで飾りにするものも華鬘と云うことも有るだろう〔末梨花とて、植えて清翫に供ずる花は、南地の摩梨花であろうか。末梨は梵語のままを伝えている〕。
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