2020/08/06
巻之六〈ニ七〉 酒井讃岐守忠勝の毎月御忌に当たる日の話し
酒井讃岐守忠勝は、謀をしようとした臣下の者達を捨てたまいし後、毎月御忌に当たる日に一室を掃除して、沐浴をして身を清め、麻の上下を着て、自ら様々な物を備えた。その入口を閉じて人が来るのを許さなかった。
ある時、誤って、一人がその間へ走り入った。
讃州は祀り供えた物の前にひれ伏していた。
そして振り返り、「しい、しい」と言って手で制した姿は誠に御前に(その人々が)ある様子であった。
家来中、密かに語り合い、みなその至誠に感じ入ったとのことだった。
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