巻之六 〈二六〉 血判をする時の教え

誠嶽君〈誠信、肥前の守〉、清(静山公の隠遁前の名前、本名)に謂われたことは。
「我は御代替わりの誓詞を両度まで老職の邸にて為た。
その時、座席に小刀を用意してあるが、その小刀で指を刺すと、出血が気持ちよくなく、血判はあざやかにならない。
だから大きな針をよく磨いて、懐に忍ばす。こうして、その事をやるのだぞ。
また予め膏薬を懐にして、事あればこれをつけるとよい」と給われるので、清も当御代替わりの誓出血の時は、教えの様に針を以て指を刺したが、快く血が出た。
血判の表も恥ずかしくなかった。
その席を退いて血流が止まらなければ、そく教えを以て用意した膏薬を傷口につけたら、血は止まる。
その教えは、かたじけなきことであった。
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