2020/08/21
続編 巻之一 〈四〉 天海僧正に邂逅された時の話
林叟曰く。この頃一老人の物語を聞く。昔殿中で家祖道春が、天海僧正に邂逅された時のこと。
道春が「今日は何事で出られますか?」と問うた。
僧正答える「御札を奉るために出ております」。
道春は哂(わら)って「御札は何の用事があるのです?」。
僧正、すぐさま一首を朗吟した。
守るとも守るともなき小山田の
いたづらならぬ案山子なり。
道春もその敏才を褒めたという。
まだ聞かぬ談話である。
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