続編 巻之一 〈ニ〉 巨人

既に前編九十八巻に、肥後国出身の巨人のことを書いた。また頃、林子が言うには、六月某の宅にかの巨人が来たと。ちなみに居間の入側まで呼び入れてよく見て、居あう者どもは尺をとった。
身の長け 七尺三寸(221㌢)
手裏   八寸五分(25,74㌢)
足裏   一尺一寸(33,33㌢)
身重さ  三十ニ貫目(120㌔)
衣着丈  五尺一寸 (154,545㌔)
肩行   2尺2寸五分(68,166㌢)
袖    一尺九寸 (57,573㌢)
羽織   三尺八寸 (115,149㌢)
坐して手を伸ばせは鴨居に及ぶ(田舎間)。立つと頭は長押(なげし)の上に出て、手指は天井に届く〈その席の天井は鴨居上より三尺五寸である。ただし、長押とも〉。予め聞いていたよりも巨大に見える。
また曰く。年少の時、雲州の釈迦嶽を見たが、辛未の西行きに対州で朝鮮の軍官許乗を見た。この度で、三度になるが、その大きさはこの男だったと思う。またこの巨人は気の弱いこと、珍しい。人前で物を喫すのをいやがり、第一は手をつき首をうなだれ、恐れ入りばかりであるのを、ようようにすかして安坐している。とにかく、途中で人に観られるのを甚だ嫌い、なるたけ外出しない。
大家からいって来るとき、主人の命で強いて門を出る風であるとのこと。また付き添いの者なくして、一人では何かの席にも出かけないという。
わが宅へは、かの藩の儒官野坂源助と従来我が門人なので付き添ってやって来た。
そこでわしはねんごろに、人に恥ずべきわけがないことを聞かせ、この後は誇り顔で人前に出よと諭して大笑いした。
古の防風氏なども存外に小心の人かとまた笑った。
また曰く。巨人の側に師弟らが代わる代わる立ち見るので、丘をつくる泰山に於けるようだ。
わしもさらば長競(せいくらべ)をしようと立ち巨人と並び、腹をさして云った。「誰か二人を解体して見ないか?一臓一腑大小何かあるだろう。ただ、胆ばかりは、わしのものが大きいに違いない」と笑った笑った!
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