巻之五 〈一四〉 小笠原島

修験の某に聞いた。
八丈島の南方百里ばかりに無人島があると。
一名(本文ママ)を小笠原島と云う。大小八十余島ある。
その内、二島は大きさ四国ほどもあるに違いない。
島には山が多く、平地はほとんどない。
ヤシ、ビンロウ、蘇芳(スオウ)の類、その他良材を産する。
島は音呼(インコ)を始め、異禽が多くいる。
この島を小笠原と云うのは、今尾張候の家臣城代を勤める小笠原三九郎と云う者の先祖民部大輔頼□(一字不詳)と云うが、神祖より賜われた土地だとのこと。
三九郎所蔵の記録がある。
その中に祖先が島に建てた碑文を載せる。曰く、
大日本国、天照皇大神宮地、征夷大将軍源家康公幕下、小笠原民部大輔頼□領分。
この碑、二箇所に建つと云う。
思うに大島二つの中にあるのだろう。
この三九郎はかの修験の檀家だと云う。
定めて、事実であろう。尚、折を見て、よく調べたし。
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