巻之二 三四 猫の踊り

先年、角筈村に住まわれる伯母殿に仕える医者、高木伯仙が云う話には、「私は下総国の佐倉の生まれだが、亡き父がある夜眠った後、枕元で音がした。

目を覚まして見ると、永年飼っている猫が首に手拭いをを被り立ちながら、手をあげて招くようにしている。

その様子は童が飛んだり跳ねたりしている様である。

父はすぐさま枕元の刀を取り猫を斬ろうとした。

猫は驚いて走り出し、今は行方知れず。

それから家に帰らなくなった」と。

そんなことだから、世に云う猫の踊りと云うものは迷い事とはいえないだろう。

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