2020/12/07
巻之一 〈30〉 老女衆の願い
老女衆の願いを老職衆に回した上様徳廟(今は亡き上様、どの御代かわからぬが)は御政務に御心を尽くされておられると聞く中にこの様な事があった。
大奥の老女の縁で入った人が上様に内願を申し上げた。
「善い様に聞くつもりだが、女の事だから時には迫って申し上げる時もあるだろう。
その時には、この様な我らの身分の者も自由にならぬ事もあるものだ。
老職の意見も聞かなければ」と上様は申される。
「さらば老職に聞かれてもかまいません」と申し上げる。
「少しもかわまないか」と上様が言われる。
そこでまた「もし老職共が異議を申しますならば、如何なさいますか」と申し上げている。
「その時は、老職に聞く」とのこと。
その後、老職が召出され、上様が「この度、老女どもが何々の事を内願いたした。
だから、この様に答えて置いた。けれども、件(くだん)の事はそうであってはならない。
その方ども、厳正に説得するのだ。承知はいたさぬ」と仰せである。
果たして老女衆から件の云々に及んだ時に、老職の答えは、「それはそうあってはならない」という。
老女衆が押し返して申すには「内々の言上に及びまして、上様にもその様なお考えであられましたら、老職へ聞きとうございます」と言っている。
老職衆が答えるには、「たとえ上様のお考えでなくとも、この事はそうであってはならない」と強いて申している。
とうとう老女衆も「それでは仕方がない。
またまたこの事を言い上ぐったりすると、老職が申す旨は重き事と言われる」と言われた。
遂にその事は蒸し返される事はなかった。
※老女達が上様に内願したかった事は何なんでしょうね。
そうしてまで、聞き入れたくない将軍と老職の考えは。。。
- 関連記事
-
- 巻之六 〈41〉 辻切り
- 巻之一 〈30〉 老女衆の願い
- 巻之一 〈22〉 幼い将軍の書のお話
スポンサーサイト
コメント
No title
元々白黒つけたい気性なので、老女達が言いたい事がわからなくて、イライラしました。
投稿するのやめようかと思いましたが、まだ私の精神年齢が今回の文章を理解するのには至らないのかなと思い、あえてアップしました。
2021/01/07 09:25 by 原田 URL 編集
No title
2021/01/07 09:25 by 木村 URL 編集
No title
2021/01/07 09:26 by 木村 URL 編集
No title
良い投稿はですよ🍏
わたしは灰色のこころなので、このような話は好みますね🍊☘️
2021/01/07 09:27 by 和賀 URL 編集
No title
ありがとうございます。夫から「世の中は、限りなく白に近くて限りなく黒に近い灰色で成り立っているとぞ」といわれてるのですが。まだわかりきった大人になりたくない気持ちが働きます。追求したいです。
2021/01/07 09:27 by 原田 URL 編集
No title
ありがとうございます。静山公の立場で眺める視線を持ちたいです。
2021/01/07 09:28 by 原田 URL 編集
No title
2021/01/07 09:28 by 木村 URL 編集
No title
男社会で全体を見ている指揮者とそれを支える人達から見て、その老女達の意見は、そこだけ見ればそうであっても、それはこれこれこうで良くないので却下(・・)と
そんなことでしょうか🌌🐝ね☘️
2021/01/08 15:26 by 和賀 URL 編集
No title
内容が知りないですね。頑なに却下するのはどうして?
2021/01/08 15:27 by 原田 URL 編集
No title
想像です🥝🌌
2021/01/08 15:27 by 和賀 URL 編集