巻之八 一一 国々の暑い寒いの話

大洲(伊予の)侯にお会いした時に、国々の暑い寒いの話になり、我が平戸の気候を語り、予州も海が近かければ夏も涼しいでしょうと云った。

侯の臣 堀尾四郎次がその場にいて云う。

そうでもありませぬ。

暑さが来るとたまりません。

暑さが盛りになると、ゆっくり行くにも暑い気が(かたまる様になっていて)黄白色の様に見え、空中にその暑さは留まった様になり、人目をさえぎり、10歩前を行く人さえほとんど見分けがつかない。

その蒸し暑さは耐えられない。

この様になると、ゆっくり行く者は青傘(藍色の紙を貼った日傘、紙は青土佐を使用)を用いれば、凌ぎやすくなる。

だから、暑さの中、青傘をさすことを止められたら、暑い中での往来は最も難儀になると語っている。

国、国によって、暑気の厚い薄いもある中に、予州はこと更に著しく異なることだった。

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