続篇 巻之四 〈6〉 狡猾な猿

小臣が話す。
平戸の市中に少数の猿がいたという。
何れから来るのか誰も知らなかった。
家々を徘徊しては食べ物を欲しがった。
人はそのあさましさを憐れみ、果実を投げ与えた。

猿は徐々に人を判別していった。
ある日何者かが与えた一銭を持ってきて店頭に置いて、自分で小餅と換えて、去っていった。人みな感笑した。

ある日また一銭を持ってきて、餅と換えて食ったが、甘(うま)くなかったのだろう、半分食って餅を放って、かの銭を取り去っていった。人はまた笑った。


※甘いは、『うまい』の意味も含んでいたのでしょうか。今より味覚は大まかだったのでは、と思いますが。
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コメント

No title

封建時代の殿様らしいお話しのようです。
商売をするひとは… このようなことは🌌🍏

No title

和賀 さん
なるほどーᕙ( ͡◉ ͜ ʖ ͡◉)ᕗ

No title

うまい話を、「甘い話」とも書くんですねー。初めて知りました。ありがとうございます。🙇‍♂️

No title

丸尾 さぁ
そうなんですよ。どこかで、甘いはうまいという意味で使っていたのではと読んだ気がするのですが。、。

No title

原田 さま
確かに小説なども「甘い」で「旨い」「美味しい」と同じように使っているのは何度か読んだ気がします。
甘いものが旨い物の代表だったことが発生のようです。それから「旨い話」なども「甘い話」などとも書いたりするので、意味には本来の味覚以外のことも言うようになったみたいですね。

No title

木村 さま
コメントありがとうございます。
そう言う事でしたか。
それが転じて『旨い話には気をつけろ』、『甘い話には乗るな』。
まだ人々が正直であった頃の話でしょうね。

No title

考えてみれば英語も同じですね。
SweetやHoneyなども同じ。
万国共通かも?
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