巻之五十三 〈4〉 煙草着火は何でやる?

煙草が我が国に渡って久しくなるが、中頃喫煙を禁制された。
だがこの頃ではほとんど、たしなみの一つとなっている。
まず老中上使の時も煙草盆を設けて、三家方へ参入されるにもかの卿の御前に対する時、主人も客もこの器を出す。
となると公の物になったのだな。
そうであっても殿中の表向きには今もって無い事になっているのだが。

またこの頃聞くには、上の御成さきでは、この御ことなくして、御小箱物があった。
御数寄屋の処預りにして小さな御箱である。
御成先程で、奥の衆から御小箱と申し出ると、すなわち御供の坊主よりこれを上(たてまつ)る。

この中には御煙具(パイプ、キセル、煙草盆)がある。
火は御持筒(所有する鉄砲)の方へと仰せがあって、御筒の火縄を上げて、これで御用をするのだという。

初めて聞いたことだった。
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