巻之八 〈3〉 狐に化かされる鳥

邸の隣の住人に聞いた話。

某が幼い時、上野山下の根岸に住んでいた。
(根岸:現台東区、上野の崖の下にあって、海が入り込んでいたころ、木の根のように岸辺がつづいていたからという、ウィキペディアより)

その時山から老狐が出てきて、よく馴れた。
食をあたえると家に入り人の傍で食べた。

この狐は人ばかりでなく、鳥類も化かすと知られていたが、一日鳥が来て樹の小枝にいた。
この狐がその樹を回ると、鳥は飛びさる事が出来なかった。
狐が樹の下にいて頭を揺らすと、鳥も樹の上で頭を揺らしていた。

狐がやる事一切を、その通りにしたのだ。
とするならば、血気あふれるものは、疾走(原文は飛び走り)の類も(狐に)惑わされたものと見た。
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