巻之八 〈6〉 暴れ大川(隅田川)

先年、竜巻が起こった暴風雨があった時のこと。
諸船が多くこの災難に遭った。

ある老侯は家根舟(やねぶね)で大川に遊居していたが、白鬚祠の辺りでこの風に遭った。
川水は凄まじく巻き上がり、その舟を一丈(約3.03㍍)余り空中にまき揚げたと云う。

その時舟の中には侯の妾もいたが、心かしこい女性で自分の腰巻きを解いた。
そして侯を舟の柱に結わえた。
やがて舟は下がり川中に墜ちたが、侯は無事だった。
髪の元結は切れてしまったが。
同じ舟に乗っていた中に溺れた者もあると聞いた。

※ 江戸の治水は川の水を溢れさせるというやり方だった様です。
北西から流れてくる隅田川(ここに出てくる大川は隅田川の事)の左岸で溢れさせ、その川の西の右岸に開けた江戸市街を守って来られたそうです  (PHPオンライン衆知より)
関連記事
スポンサーサイト



コメント

非公開コメント

プロフィール

百合の若

Author:百合の若
FC2ブログへようこそ!

検索(全文検索)

記事に含まれる文字を検索します。

最新の記事(全記事表示付き)

訪問者数

(2020.11.25~)

ジャンルランキング

[ジャンルランキング]
学問・文化・芸術
1143位
ジャンルランキングを見る>>

[サブジャンルランキング]
歴史
157位
サブジャンルランキングを見る>>

QRコード

QR