2021/01/27
巻之八 〈6〉 暴れ大川(隅田川)
先年、竜巻が起こった暴風雨があった時のこと。諸船が多くこの災難に遭った。
ある老侯は家根舟(やねぶね)で大川に遊居していたが、白鬚祠の辺りでこの風に遭った。
川水は凄まじく巻き上がり、その舟を一丈(約3.03㍍)余り空中にまき揚げたと云う。
その時舟の中には侯の妾もいたが、心かしこい女性で自分の腰巻きを解いた。
そして侯を舟の柱に結わえた。
やがて舟は下がり川中に墜ちたが、侯は無事だった。
髪の元結は切れてしまったが。
同じ舟に乗っていた中に溺れた者もあると聞いた。
※ 江戸の治水は川の水を溢れさせるというやり方だった様です。
北西から流れてくる隅田川(ここに出てくる大川は隅田川の事)の左岸で溢れさせ、その川の西の右岸に開けた江戸市街を守って来られたそうです (PHPオンライン衆知より)
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