巻之ニ十一 〈7〉 アブラヲケソワカ(呪誦)

長崎の人が云った。
この地に老婆が一人妙ある祈祷を病や事故に悩む人々に行っていた。
皆その験(効き目)に助けられていた。

ある人が呪誦を聞くと「アブラヲケソワカ」とのみ曰て、他に何も唱えない。
ある人は「その真言は何れより伝えられたか」と問うと、「先年ある御僧より授かりました」と答えた。

ある人曰く。「それは聞き間違いである。定めてアビラウンケンであるから、この様に唱えるように」と教えた。

婆も心得て、その後は教えの通り唱えた。
が、これより一向に祈祷に験が現れなくなってしまったという。

これを専一に信じて用いたが、後に二念になって疑いを含んだ心持ちの致すところになってしまった。
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