巻之ニ十三 〈4〉 安芸の寺のディウスの画像

寛政己酉(元年、1789年)にわしが東勤めをしていた時、安芸の怒田本郷駅に宿をとった。
ここは寂静という親鸞宗の寺があった。
わしの医師はここに宿をとった。

その住僧が語ってくれた。
『寛永(14年、1637年)に肥前天草一起騒乱(本文ママ)の時に一僧がいましてね。いづくとも無くここに来て説法講談をしました。聴者は日に日に多く集まりました』。

『その僧はついに耶蘇の法をすすめて、信ずる者が多く出たので、領主はかの僧を捕らえ、東武へ送りました。かの僧はディウスの画像は今の本郷禅宗の寺にあると云うのですね』。

この事を語った僧も見たという。
その像は阿弥陀の様にして威霊があったという。
奇聞である。

天草に凶徒蜂起のとき、安芸にこの様な事があるとは世人は知らない事だ〈『校書余録』〉。

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