巻之八十 〈20〉 間違った検分は命取り

当六月八日御倉前天王祭の時、小揚町の所で茅間違えたりの人と富坂代地の者が口論したのを、小揚町の若者が仲裁に入り、双方をなだめていた。

常廻りの町同心某は暑気あたりで煩悶していたが、自身番所にあがって保養していたが(その喧嘩騒ぎを)聞きつけ、駆けつけ、鎮まれと制止したが、(二人は)聞き入れない。

騒がしい中で、仲裁の若者を喧嘩人と思い込み、理非なしに十手を撃った。

すると、仲裁の者は怒り、「おれは喧嘩していない。何訳のわからない事をするんだ」と云って、同心某を返り討ちにした。

某は運が悪い事に、撃倒されてひるんだ。

そこに傍人が助けて、御倉前の松尾と云う茶店に連れて来たが、同心は死んでしまった。

人の法にもとることを調べる者のこの様な姿はどう言ったものか。
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