巻之十八 〈23〉 その2 異類婚姻譚に思う

『日本紀』の崇神紀に、
これの後ろに。

倭迹迹日百襲姫命(やまとととひももそひめのみこと)を大物主神の妻と為す。
けれどもその神は、常に昼は見えなくて夜にやって来る。

倭迹迹日百襲姫命は、夫に「貴方は昼はいつでも拝見できるお方ではありませんね。
その尊顔を見せて頂戴。

お願いだから、明日の明け方までここにいて。
美しくて麗しいお姿を拝見したいの」と云った。

大神は応えて云った。
「ではそうしようか。わたしは明日の明け方まで貴女の櫛箱に入って居よう。でもお願いだから、わたしの姿を見ても決して驚かないでおくれ」。

これを聞いて、倭迹迹日百襲姫命は心の内に密かに妖しく思う疑いの気持ちを起こしたのだった。
明け方まで待って櫛箱を見れば、遂にそこに美しく麗しい小蛇の姿を認めたのだった。

その長さ大きさは衣の紐の様だった。妻は目に入った夫の姿に驚いて叫び声を出した。

大神は恥じ入り、人の姿になって妻に云った。
「あれほどわたしの姿を見ても驚かないでといったのに声をあげて驚いた。わたしは貴女には会うまい。虚ろな気持ちのまま御諸山に帰ろう」。

これを聞いて倭迹迹日百襲姫命は驚いて尻もちをつき、置いてあった箸を陰(ほと)に挿して亡くなった。

これは小蛇。

前の事と小大(本文ママ)の違いはあれど、何れも蛇も人と交わることが古からあった。

御諸山は、三輪山のことを云えば、ぼんやりと道を行きながら、山を登ると記すが、如何にも志佐の農家の娘のこととよく似たことよ。

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